住宅換気の重要性

長らくアップしてませんでしたが、ちょっと書いてみたくなりました。

住宅の全館換気システムが日本に導入されてから、はや30年近くが過ぎました。

この30年間で、一般住宅の換気設備はどのような変化を辿ったか検証したいと思います。
一般住宅の市場規模が年間150万戸と言われた時代に、安かろう悪かろうの粗製濫造住宅が氾濫した結果、シックハウス症候群という病気が、新築住宅に引っ越して住み始めてから発症するという聞きなれない病が突然浮上してきました。
当時の新築住宅に使われていた合板、クロス、接着剤等に含まれる揮発性有機化合物の量が規制されていなかったのです。
室内温度が上昇してくる夏場にかけて、それらの建材から化学物質が温度上昇により発散されてきて住宅内部の空気汚染を発生させたのです。
目まい、頭痛、吐き気、だるさ、皮膚疾患、アトピー、喘息などの症状が複合的に発症する事例が多くみられたのですが、病院に行っても適切な診断が下されず、患者の方は大変苦労されたのです。
新築に住宅に喜んで引っ越しして、夢のある家が、突然家族の健康と幸せを奪ったのです。
最初は、その原因が住宅内部に起因するとは誰も思わなかったのです。
昔、新築の家に行くと、新しい畳の臭い、シンナー系の何とも言えない臭いが鼻に来たことを覚えていませんか?家全体から発散されている、揮発性有機化合物を毎晩吸っていたら、体の具合が悪くなるのも必然でありました。
2000年代の初めに突然住宅業界に、シックハウス症候群を緊急に解決しなくてはならないと、国のお役所からの命令が下りました。
結果として、住宅の全館換気システムの設置義務化と建材に含まれる揮発性有機化合物の総量規制という法律ができたのです。
しかし、これらの問題住宅の多くは建売分譲の家がほとんどであったのです。
我々が付き合ってた工務店は、無垢の材料に塗り壁、全館換気設備は当たり前だったのです。

この法律ができたため、全館換気システムは、メーカーのカタログ値から、建てる住宅の面積に充当できれば、法律をクリアできたのです。我々は、実際施工したのちに風量検査をして換気量が適切に確保されてるか検査する必要があるとお役所にクレームしたのですが、検査の必要なしというざる法に決まってしまいました。
換気量検査の必要が無ければ言ったもの勝ちで、大きなメーカーがその名前の信頼性を後ろ盾に、大量生産のお安い住宅換気設備が普及することになってしまいました。
今日はここまで、また続きを書きます。

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