計画換気の原則

計画換気の原則は、常に空気の出入口を明確にして、必要な量の新鮮空気を取り入れ、汚染空気を排出することです。
「常に」というのは一年中・24時間という意味で、日本人の癖ですぐ止めてしまわないようにすることです。スウェーデンやフランスの製品にはそもそもOFFスイッチがありません。

「出入口」とは、寝室や子供部屋などの居室から新鮮空気を取り入れ(入り口)、トイレ、浴室、納戸などの臭いや水蒸気、粉塵の出るところから排出することです(出口)。隙間だらけの住宅では、出入口を設定しても計画通りに機能しません。従って、計画換気は住宅の高気密化が必須条件となります。


「必要な量」というのは、次世代省エネルギー基準では、換気回数で1時間当たり0.5回とされています。この値は、「1人あたりの必要換気量として、炭酸ガス濃度の上昇を1000ppm以下に抑えるために、1人あたり20~30m3/hの換気が必要」と考えられている値です。


換気経路の原則は、まず住む人に新鮮な空気を与え、生活に伴って段々汚れていって、一番汚れる所から排気することです。その関係は下図のようになります。寝室から給気して、廊下やホールを経てリビング、ダイニング、和室を通り、台所、トイレ、浴室、納戸から排気されます。なお、台所のガスレンジ用の換気は調理中に一時的な大風量を要するため別系統になります。

現在の一般的な住宅のように気密性に乏しく、常時計画換気をおこなっていない住宅では、家全体の換気量(空気の出入り)はあっても、部屋単位での換気はないも同然です。また、風向きによってはトイレなどで汚れた空気が居間に逆流することすらあります。つまり、気密性もなく隙間風任せでは空気の出入りは不安定なだけではなく、汚染空気の逆流を招くことにもなります。従って、隙間任せの換気は換気と呼べません。それは不快でコントロールのできない漏気と呼ぶべきものです。

換気経路の原則: 居室給気、機械排気(常時換気)
一般的な換気経路:各室給気、風呂/トイレ局所排気(一時換気)
理想的な換気経路:居室給気、居室独立排気+風呂/トイレ排気(常時換気)

計画換気の種類

・第一種換気:給排気共にファン(機械)で強制的に行うもので、熱交換換気タイプがこれにあたります。室内の圧力は外気に対して正圧(+)、負圧(-)どちらにもコントロールできます。熱交換タイプにも2種類あって熱の他に臭いや水蒸気を交換する全熱交換、熱だけを交換する顕熱交換があります。

・第二種換気:給気をファン(機械)で強制的に行い、排気は排気口から自然に送り出されるタイプです。室内の圧力は正圧(+)になります。住宅換気では珍しいケースですが、ソーラーハウスで採用されています。

・第三種換気:排気をファン(機械)で行い、給気は居室の壁に取り付けた給気口から室内と室外との圧力差で自然に取り入れるタイプです。室内の圧力は負圧(―)になります。アルデ排気型集中換気システムはこのタイプです。


室内の汚れた空気を強制的に排気することにより、屋外の空気を取り込むチャンバーファン一体型「アルデ排気型換気システム」


排気量の設定

次世代省エネルギー基準では1時間あたり0.5回以上としています。
正確には下表のように員数規模、建物規模、部位別規模の3 項目で計算し、最も大きな数値を必要換気量とします。数値に幅のあるのは様々な判断があるからで、次世代省エネルギー基準では局所換気の場合で、下表の部位別規模は常時運転の排気量を設定しています。

員数規模建物規模
CO2濃度を1000ppm 以下に抑えるための1人当たり必要な換気量 =20~30m3/人・h換気回数=0.3~0.5回/h

1人当たり30m3×4人家族=120m3/棟100m3の住宅の気積=250m3

120m3÷250m3=0.48≒0.5回/h

アルデが推奨する換気量基準:常時換気

部位別所要換気風量
部位標準最大
台所55~5055~50
浴室3030
トイレ20~1530
納戸20~1530
合計 m3/h165~140185~170

次世代省エネルギー基準:局所換気

室名目安となる換気量備考
台所ガス熱源 (フード付き)30KQ又は300m3/hの大なる方
(K:理論排ガス量、Q燃料消費量)
機械換気設備は必須
台所(電気)300m3/h機械換気設備は必須
浴室100m3/h機械換気設備は必須
洗面所60m3/h機械換気設備は必須
トイレ40m3/h機械換気設備は必須